ぷろまね裏通り-わかりやすい事例から学ぶプロジェクトマネジメント

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ユーザー企業のPMの役目 つまりを取り除くこと:ユーザー企業、ベンダー

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こんばんわRedgrayです。

プロジェクトマネジメントの課題事例を考察して、現場で使えるプロマネ小技集を積み上げていく「PM裏通り」にようこそ。
本ブログを「PMO、プロジェクトマネージャ」の指南書にすべく書き連ねていこうと思います。

 

今日はユーザー企業のプロジェクトマネージャの役割について考えてみよう。

ユーザー企業のプロジェクトマネージャの役目の1つ、それは「つまりを取り除くこと」である。

 

 

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 ユーザー企業とは、言わずもがな、発注の大元となる企業だ。

クライアントと呼ばれることもあるし、事業会社と呼ばれることもある。

 

そして、主体的に開発を行うのが発注先のベンダーとなる。通常はプロジェクトマネージャ(PM)は、ベンダー側でプロジェクト全体を切り盛りする代表者を指す。

 

ただ、発注元のユーザー企業側の代表者もPMであることを、忘れてはならない。本人も、自分はユーザー企業のプロジェクトマネージャである、という自覚を忘れてはいけない。

 

会社の形態やプロジェクトの規模にもよるが、あるプロジェクトに関わる発注元のPMは、ユーザー企業のPMのカウンター(対応者)として存在する。

そして発注元であるユーザー企業の要員数の方が、ベンダーの要員数よりも少ないことが一般的だ。

 

ユーザー企業のプロジェクトマネージャに求められる役割は「判断すること」

ユーザー企業のPMは発注したら仕事はおしまいで、あとはシステムや製品が完成するまで待てば良い、、、というわけではない。

 

私が以前ベンダーで仕事をしていた時のユーザー企業は、まさにこの様な感じだった。発注したらほぼ作業はおしまい。一応、毎週の進捗会議の報告は受ける。課題等も聞くが、能動的にユーザー企業が何かをしよう、という感じではない。ほぼ全てベンダーに「おんぶに抱っこ」であった。おかげさまで私自身は鍛えられたものだが。

 

本来は、ユーザー企業のPMに求められる役割は「判断すること」であると言える。ベンダーのトップであるベンダー側PMがプロジェクトメンバーを切り盛りしている。プロジェクトとして判断の連続だろう。ただ、どうしてもベンダー側だけでは判断できない課題が出てくる。

 

例えば、

・品質が思った様に洗練されなかった。サービスインの延期や、コストと要員追加による追加テストの実施、サービスインさせる対象機能の縮小(スコープの縮小)など、を判断する必要がある。

 

この判断をユーザー企業PMが下すまでは、プロジェクトは止まるのだ。判断してプロジェクトの「つまり」を取り除いてやる必要がある。

 

ベンダーPMが提示したA,B,C案から、どれがユーザー企業にとって最も良い案か決めるのだ。

 

若手のユーザー企業PMの場合など、このことをわかっていない人が存在する。

 


「ベンダーさんで決めてよ、発注してるんだから」なんて言うユーザー企業PMも存在する。

 

ユーザー企業のPM、またPM以外でもプロジェクトに参加しているメンバーであれば、自分が最終的には判断しなければならない立場である、ということを自覚しよう。

 

ベンダープロジェクトマネージャ側も、判断しやすい案を作り、気の利いた提案をすべき

ユーザー企業PMに判断してもらいたい時に、ベンダー側がまともなスキルを保有している場合は、しっかりA、B、C案などの複数案を考えた上でユーザー企業に提案してくれるだろう。それぞれの案のメリット、デメリットも整理し、「オススメ案はA案だ、根拠はこうだ」、と言う情報までを添えて提示してくれる。

 

この方法であればユーザー企業側のPMも判断は簡単だ。よっぽど本人にこだわりや、自分だけが知る業界の懸念点などがなければ、ベンダーから提案されたおすすめ案以外を選ぶ理由はない。

 

ただ、ここまで気の利いた案の提案をしてくれるベンダー側も少ないのが実態だ。

 

ベンダー側PMも、ユーザー企業側が判断しやすい情報、資料、案を提示するよう心がけると、今以上に信頼を得ることができるだろう。

 

 

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まとめ

・ユーザー企業のPMや担当者に求められるのは、ベンダーでは判断できなかったことを、最終判断すること。

・ユーザー企業のPMは自分が決めなければ物事が進まない、ということを自覚すべし。

・ベンダー側PMも、ユーザー企業側PMが判断しやすい様に、情報を集め、わかりやすい資料をつくり、複数案を提示、それぞれのメリット、デメリットをまとめ、オススメ案まで添えて提示すべし。

 

 

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